GR III / IIIx シャッターボタンの秘密 (いなば)

2022.01.07 BLOG

こんにちは、いなばです。
本年も宜しくお願い致します。

2022年最初のブログ記事という事で、久々にデザインのお話をしようかと思います。
GR III / IIIx について様々な媒体でデザインについてお話してきましたが、実はまだまだお話していない秘密が沢山あるんですねぇ。
そんな中から、今回はシャッターボタンのデザインについての秘密を明かして行こうかと思います。
※過去のデザインに関する記事はコチラ:グリップモードダイヤル革シボ

GRシリーズのシャッターボタンは一貫して長円形状(円形を伸ばした形状)を採用しています。この形状はシャッターボタンと指の当たる面積を広くしつつ、ボタンの中心がなるべくカメラ前方側の押しやすい場所に配置できるように配慮した意味ある形状です。

GRシリーズ不変のシャッターボタン形状(写真はGR IIIx)

ボタン形状を円形にした場合、指の当たる面積を長円形状と同じにするにはどうしても巨大な円形になってしまい、ボディからはみ出さない様に配置するとボタン中心がボディ後方側に移動してしまう為、非常に押し難い位置になってしまいます。
スナップシューターとしての携帯性を考えると、GRの小型なボディからはみ出さない場所に収まり快適に押せる長円形状がシャッターボタンとして最適と言え、GRシリーズに採用し続けています。

また、シャッターボタンの周りの土手のようなリブ形状にも実は意味があり、ボタンのクリック感にプラスして物理的に指でシャッタボタンの半押し状態が感じられる為に配置されています。
GRに搭載されているフルプレススナップの一気押し時と、オートフォーカスの半押し時の差を指先で感じられる様に配慮された形状となっています。

さて、ここまではGRシリーズとして一貫しているシャッターボタン形状のお話ですが、実は GR III / IIIx で今までのGRシリーズと大きく変えた部分があります。

GRをグリップする時の握り方例

GRをグリップする時に、握り方は大きく二種類に分けられます。
上の写真左の様に各指を下方向に曲げて中指を中心にグリップ部を引っ掛ける様に握る方法と、写真右の様に指を複数使って背面の親指とグリップを挟み込むように握る方法。
個人的に「下流し」「鷲掴み」と勝手に呼んでいますが、握り方によって実はシャッターボタンへの人差し指の当たり方が異なってきます←ここ大事です。

グリップの仕方による人差し指の傾きの違い

上の写真は握り方による人差し指とシャッターボタンの当たり方の違いです。個人差がありますが「鷲掴み」の場合に人差し指が傾く傾向が強くなります。
今までのGRシリーズでは真上から押すことを前提にデザインされていましたが、人差し指が傾く握り方の場合は指の腹の横で押す感覚が強くなっていました。

皆さんもうお分かりですね!下の図を見てみましょう!

グリップ側面から見たシャッターボタン

実は握り方による人差し指の当たる感覚の差を少しでも軽減するために、GR III / IIIx のシャッターボタンは前方に約3度傾いています。GRシリーズで初めての試みなのですが、この僅かな傾きによって握り方による指の当たりの違和感が軽減され、軽快なシャッターフィーリングが実現されています。

GR III / IIIx をお持ちの方はシャッターボタンの傾きをじっくり見てみましょう!

GRシリーズは一見デザインが変わっていない様に見えて、シリーズを重ねるごとに細部は大きく変わっています。今回はちょっとマニアックなお話でしたが、撮影する為の道具としてボディデザインも常に深化し、スナップシューターとして快適に使って頂く形状をデザイナーは常に追い求め続けていると言うお話でした。

***

最後に最近撮影した写真をドーゾ!
自分の GR III / IIIx の使い方は2台持ちでは無く、その日に持ち出すGRを1台決め打ちする事が多いですね。

GR III Avモード F2.8 SS1/2000 ISO100 EV-0.7 WBマルチパターンオート ハードモノトーン

GR IIIx Avモード F5.6 SS1/15 ISO6400 EV0.0 WBマルチパターンオート ビビッド

GR III Avモード F2.8 SS1/30 ISO200 EV-0.7 WBマルチパターンオート ハードモノトーン

今回は久々にデザインのお話をしましたが、歴代のGRシリーズをお持ちの方はボディデザインを比較してみると新しい発見があるかもしれませんよ!

デザインについては、まだまだ話していない秘密が沢山あるのでまたの機会をお楽しみに。

それではまた!

(いなば)

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