特別寄稿:鈴木光雄さんからの便り「お部屋でGRを撮る」

2020.05.30 BLOG

こんにちは、管理人のまちゅこ。です!
STAY HOME特別企画、第四弾。
鈴木光雄さんによる、「GR」をお部屋で撮影する、というお話しです。

現在募集中のGR officialトップ写真募集企画の参考にもなるかと思いますので、ぜひ読んでみてくださいね。

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私は写真を撮ることを生業としていますが、日常の生活の中でも写真をよく撮っています。私の持論ですが、日々の生活において感動や気づきを得ることで、感性が磨かれると思っています。眼の前の光景に何かを感じたり心に思うことがあれば、直ぐに写真を撮れるように、常にGRを持ち歩いています。

さて、GR officialサイトのトップ写真募集企画が始まったということで、今回はいつも携行しているGRを被写体に「GRのある風景」を撮った作品をお見せしながら、撮るときの場所や光の選び方など撮影のポイントをお話しします。

緊急事態宣言は解除されていますが、都道府県を超えた移動の自粛など続いているので、今回は自宅の部屋や近所など身近な場所で撮影しました。

まず撮る前の準備ですが、GRのボディを掃除しましょう。
黒い被写体を撮った写真を見ると、肉眼では気づかないホコリや汚れが付いていることがあるので、撮影前にクロスやブロアーで細かい箇所をキレイにしましょう。

 

旅の思い出の写真プリントとGRを並べて、旅行気分を楽しんでみました。
被写体のGRは、リコーのカスタマイズサービスでトップカバーとリングキャップをシルバーに、グリップを木目調に交換しています。

この作品は、一般的にテーブルフォトと言われるセッティングで、窓際の明るい場所に台を置いて、その上に被写体となるGRとプリントをレイアウトして、カメラは真上のアングルで撮影しています。

真上や斜めのカメラアングルの場合は、撮る人が窓に向かった位置に立って、逆光か斜光で撮るのがポイント。室内の照明はオフにして窓からの自然光のみで撮りましょう。
薄曇りの日の柔らかい光で撮ると、GRのボディの形状や素材感がキレイに写ります。晴天の直射日光は、レースのカーテンを引いたり、白い薄い布を窓に張ると柔らかい光に変わります。
 
 

机の上に積み重ねた写真集と画集の上に、GRを置いて撮影。
撮影のセッティングは、机の左側に窓があり、横から照らす光(サイドライト)で撮っています。
窓から3メートルくらい離れた場所に机を置くことで、柔らかな光を作っています。
 
 

ドライフラワーをディスプレイした華やかな壁に、GRを並べてみました。明暗差で影を強調して、力強さを表現してます。
場所が固定されて窓からの自然光があまり当たらない場合は、部屋の備え付けの照明よりも、撮影用のライトを使ったほうがキレイに写すことができます。
 

ライトを被写体と反対方向に向けて、壁に反射した光で撮影。光が広範囲に拡散されて、影の薄い柔らかな印象に写ります。
ライトのセッティングを変えて光をコントロールすることで、思うように表現することが可能です。
 

1枚目は、ライトを被写体の方向に向けたセッティング
2枚目は、ライトを被写体と反対方向の壁に向けたセッティング

撮影用ライトは、DIYショップで購入したクリップライトを使用。
ライトを壁に向けて光を拡散させることで影が薄くなり、自然な雰囲気に写ります。壁にライトを反射させると光量がかなり落ちるので、三脚を使うか、ISOを高感度に設定すると、手振れを防げます。

ライトを反射させる壁は、白か薄いグレーが適しています。暗い色や黒い壁は光が反射しにくく、色のついた壁は反射した光が壁の色に変わってしまうので、壁に白い紙を貼ったり工夫が必要です。
 
  

自宅の近所の公園の木の根元にGRを置いて撮影しました。
曇りの日の柔らかい光で、しっとりした印象を表現。初回出荷限定のブルーリングと苔の色彩が調和しています。
 
 

木漏れ日を利用した玉ボケを背景にして、幻想的な印象で撮影。

GRが映える場所で撮ることと同じように、GRが映える光を選ぶことも大切です。天候や時間帯によって光の条件は変わるので、「ここにGR置いたら良さそう!」と思う場所があったら、光を選びながら楽しんで撮ってみてください。


鈴木光雄(Mitsuo Suzuki)
17世紀の画家に感銘を受け、油絵とデッサンを学ぶ。その後写真に興味を持ち、1988年東京写真専門学校卒業後、写真事務所勤務などを経て1995年独立。
2006年より生活と活動の拠点としてマレーシアに移住し、マレーシアやシンガポールで広告やポートレート、ビューティー、ファッション、 エディトリアル分野の撮影を数多く行なう。また2000年より作家活動を始め、作品を日本国内、海外で多数発表する。
2010年10月にマレーシアより日本へ帰国し、再び東京を拠点として活動。
GR DIGITAL IVのカタログ写真、GR II、GR IIIのWEBカタログの作例写真を担当。
https://www.mitsuosuzuki.net/


★STAY HOME特別寄稿
第一弾:内田ユキオさんからの便り「写真と映画」はこちら 
第二弾:大和田良さんからの便り「写真集とGR」はこちら
第三弾:安達ロベルトさんからの便り「写真と水彩画」はこちら

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