【コラム】GRを使う場所/渡部さとる

2024.03.22 BLOG

今回GRのコラムを書くにあたって、いったい僕はGRで何を撮っているのだろうと検索をかけてみた。普段使っている画像編集ソフトはLightroomでなので、メタデータのカメラを探してみると、数年間で3,684枚撮っていることがわかった。

一番多いのがハッセルブラッドのX1D2で、これは仕事用だから当然と言えば当然で、GRはその次だった。そして何を撮っているかというと、ほとんどの人は街中の風景であったり、パーティというか飲み会であったり、ご飯なのだろうが、僕が撮っているのは写真展会場や、美術館の中だった。

最近の美術展では撮影OKな場所が増えてきた。むしろ撮影して「SNSでシェアしてください」といった具合に撮影を推奨している。僕はYouTubeでのライブや美術史の配信の際に、見てきた展示の紹介をしている。1週間に二つくらいの展示を見ていて、その会場の様子を撮影しているがGRなのだ。美術館やギャラリーでスマートフォンを使って撮影することはまずない。必ずGR。というのもスマートフォンは撮影時に音が出る。これは日本の機種だけらしいが、撮影音を消す設定はない。スマートフォンの撮影音はかなり耳障りだ。美術館やギャラリーとスマートフォンは相性が極めて悪い。言ってしまえばスマートフォンでの撮影行為は「不謹慎」な感じが否めない。

その点GRは無音にすることができる。僕は音がないと心許ないので、ほんの少しだけ音量をつけている。でも周囲にはほとんど聞こえないので他人の鑑賞を邪魔することを心配しなくていい。


なぜ美術館やギャラリーで撮影するかといえば、さっきも言ったように配信で紹介するためなんだけど、もっと大きな理由は楽しいから。だって最高の被写体が目の前にあって「撮影していいですよ」って言っていただいているんだから、撮らないっていう選択はない。インスタレーションの会場なんて、見る角度でさまざまに表情を変えるから面白くて仕方がない。

そして撮影することで、その作品の記憶の定着が進むようだ。運悪く撮影不可の会場の展示は、帰ってから印象が薄いことが多い。どうやら僕は撮影することで頭に定着させているようだ。





渡部さとる
1961年山形県米沢市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ、報道写真を経験。同社退職後、スタジオモノクロームを設立。フリーランスとして、ポートレートを中心に活動。2003年よりワークショップを開催。
最近ではすっかりYoutube「2B Channel」の人として認識されている。おかげさまでその功績が認められて第33回「写真の会賞」特別賞を受賞しました。現在慶應義塾大学大学院非常勤講師でもあり、近著には『撮る力見る力』(ホビージャパン)がある。
Satoru Watanabe@watanabesatoru2b




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