GR IIIを既にお使いの皆様、これからの購入を検討されている皆様、どちらからも、SDカード、USBケーブル（データ転送用）、モバイルバッテリーそれぞれについて、「GR IIIの能力を引き出す最小限の品物は？」というようなご質問をいただきます。
今回は、このような疑問を少しでも解消するべく、まとめの記事を書いてみました。

それではさっそくいきましょう。


[SDカードについて]

まず、SDカードの速度表記について軽く触れておきますね。
SDカードの"最低保証書き込み速度"の表記方法には以下3種類があり、それぞれ、速度に応じて以下のような表記（マークは割愛）がしてあります。
（「－」は表記の定義がないです）

下の行になるほど新しく定義された表記法です。
現在では3種類すべての表記法が併記されるケースが多いようですが、製品によって異なります。

そして、「GR IIIの能力を引き出す」ということに着目すると・・・
C10,U1,V10 以上の書き込み能力を持ったSDカードを利用することをお勧めいたします。

これは、
　(1)FHD 60fpsの動画を１ファイルサイズ4GBの限界まで記録できる
　(2)4.2fpsの静止画撮影継続時間をもっとも長くできる
という２つを同時に満たせる限界のカードとなります。

結論だけですと少々乱暴なので細かな点を補足しておきます。

(1)について、
使用説明書やGR IIIのFAQにて「動画撮影時は、スピードクラスがClass6以上のメモリーカードを使用してください。」と案内しています。しかし、世の中に出回っているSDカードにはバラツキもあるため、C10,U1,V10 以上の書き込み能力を持ったSDカードを利用されたほうが安心です。

(2)について、
おおむねとなりますが、C10,U1,V10の能力があれば十分となります。
それより書き込み速度が速いSDカードを使っても連写の継続時間が際立って長くなることはありません。C6,V6以下のカードを使用すると4.2fpsの連写を継続できる時間が短くなります。

[USBケーブル（データ転送用）について]

GR IIIを購入したときに添付されているUSBケーブルはUSB2.0の転送速度までに対応しています。
GR III本体は、USB3.0の転送速度にも対応しているので、それに対応したケーブルを使用すると速いデータ転送を行うことができます。
ただし、ケーブルの長さは1.5m以内に留めるようにしてください。2.0m等の長いケーブルを使用した場合、パソコン側のUSB3.0ポートの能力によっては、USB2.0相当の転送速度となる場合があります。

カードリーダーを使わず、GR IIIとパソコンやタブレットをケーブルで接続して大量のデータを取り込むときに便利です。
その他、外出先にてタブレットでRAW現像をしたい場合にも、快適に目的のRAWデータを取り込めるようになったりします。

[モバイルバッテリーについて]

充電しかしない方は、5V 1A以上の出力があるモバイルバッテリーがあれば十分です。
上記より出力能力があっても、充電時間は変わりません。
これは、GR III本体で充電する場合と別売りのバッテリー充電器 BJ-11を使う場合、どちらも同じです。

電池１本分を超える長時間のインターバル撮影やインターバル合成をしたい場合などは、こちらの記事末尾に示したとおり、PD対応のモバイルバッテリーのなかにGR IIIを動かすことができるものがいくつかあるようです。

「ちゃんと動かなかったPDモバイルバッテリー」では、モバイルバッテリーだけで起動した時に鏡筒が伸びるタイミングでカメラの電源が落ちる例がありました。このモバイルバッテリーでも、電池とモバイルバッテリーを併用するときちんと動作しています。例の1つではありますがご参考まで。

用途によっては、すでにお持ちの品物で事足りるケースが多いと思います。
品物によっては買い足したほうがよいという点も見つかったりしたかもしれません。
快適にGR IIIでの撮影が行えるようになっていただければ幸いです！

（かつ）