GR IIIレビュー 手振れ補正 (あらいた)

2019.04.12 BLOG

GR III発売開始以来、「今度のGR、写りは抜群だね!」といった声をいただいています。

画質の向上は、もちろん新搭載のレンズやセンサーによるものが大きいのですが、これら「主役」の実力を引き出すため、新型GRの中で縁の下の力持ちとしてしっかり働いているのが、手振れ補正機構です。

露出モード:M、0.5s、F2.8、ISO200
手持ち撮影です。慎重にシャッターを切ることで、0.5秒のスローシャッターでも手振れレス撮影ができました。

上の画像を切り出したもの。右の画像、細い月が写っているのが判りますか?

GR IIIに搭載している手振れ補正はセンサーシフトタイプと言うもの。
磁石の力で撮像素子を動かすことで、角度ぶれと回転ぶれ、3軸方向の補正に対応します。補正効果はシャッター速度換算で4段(CIPA基準)です。

手軽に高精細な描写が楽しめる裏では、この機構が文字通り縦横無尽に動き回り、手振れを抑えているという訳です。

露出モード:M、1s、F4.0、ISO200
こんどは1秒露光に挑戦。手振れ補正機構のおかげで横浜の夜景がきれいに写りました。
(何枚か撮影し、よいものを選んでいます)

さて、スローシャッターでの撮影が実用的になった新型GR。いつもより遅いシャッタースピードも積極的に使うようにしてはいかがでしょうか?

GR IIIの静止画設定メニューの中に「ISO感度設定」というものがあります。そのメニューの先、さらにあるのが「低速限界値」。

「低速限界値」の選択画面。

P(プログラムAE)やAv(絞り優先AE)で撮影する場合、シャッタースピードの選択はカメラ任せとなりますが、その際にどこまで遅いシャッタースピードを許可するか...を設定するのがこの項目です。

低速側のシャッターを使うということは、裏を返すと感度アップを抑えるということ。
これまでのGRシリーズと比べて高感度耐性があがったGR IIIではありますが、やはり低い感度で撮影した方がノイズや色再現の点で有利なのは変わりません。

ちなみに、自分は今のところ、この「低速限界値」を1/10に設定して使っています。
手振れだけならもう少し攻められそうですが、被写体ぶれも含めて無理のない設定がこの位かと。

露出モード:P、1/10s、F2.8、ISO1600.
カメラ内RAW現像で、彩度、キー、コントラスト、明瞭度を調整しています。

手振れ補正は、暗い状況の時だけ効果を発揮するものと思いがちですが、それだけではありません。
内蔵NDフィルターを利用した白昼のスローシャッター撮影も、より使いやすいものにしてくれます。

内蔵NDフィルターの選択方法。

GR IIIに内蔵されているNDフィルターは、マニュアルでの操作も可能。強制的にオンにすることによって2段階(=4倍の時間)シャッタースピードを落とした撮影ができるようになります。
適度に絞ることで、明るい場所であってもスローシャッターの利用が可能になります。

露出モード:P (プログラムシフト利用) 1/4s、F8.0、ISO200, NDフィルター ON
イメージコントロールの「ポジフィルム調」をベースに、カメラ内RAW現像で、彩度、キー、コントラスト、明瞭度を調整しています。

雑踏の中で人の往来をぶらして撮影し、活気や慌ただしさを演出したり、上の写真のように移動する被写体のスピード感・疾走感を表現したり等々、手振れ補正をうまく利用すれば撮影表現の幅も広げられると思います。

最後にお知らせです。

Pentax Ricoh Family Clubの最新の会報誌(204号)がGR特集っぽくなっています。

表紙と巻頭4ページは横木安良夫さん、続く6ページはTomas H. Haraさん、さらに4ページで塩澤一洋さん。それぞれの文章が味わい深いのです。間をおいて4ページで田中希美男さんも、GR IIIを写真と文章で綴ってくれています。さらに後半には、GR trip八千代のレポートまで。

会員でないとあまり馴染みがないかもしれませんけど、リコーイメージングスクエアでも1000円(税別)で購入できますので、ぜひチェックしてみてくださいね!

(あらいた)

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