リコーイメージングスクエア銀座、閉館。約12 年間の感謝を込めて (まちゅこ。)

2020.03.01 BLOG

こんにちは!管理人のまちゅこ。です。
昨日、2月29日(土)をもちまして、リコーイメージングスクエア銀座は営業を終了いたしました。


なにか最後にできることがないかなー、、と考えて、せっかくなので、リコーイメージングスクエア銀座を代表して、所長の森さんとギャラリー担当の池永さんに、思いのたけを語ってもらうのはどうかな、と。そしてさらに、「RING CUBE」としての立ち上げ時から深く関わっていた、元リコー 野口さんも一緒にお話しをお聞きして、言葉を残しておけたらな、と思いまして。

そんなお願いをさせてもらい、数日前、リコーイメージングスクエア銀座でいろいろとお話しを聞いてきました(池永さんには、8Fギャラリーでお聞きしています)。

ちょっと長いですが(いや、だいぶ長い)、オープンからの約12年間のこと、そして、このギャラリーへの思いなどなど、ぜひ読んでもらえたら嬉しいです。 

最後に、最終日の様子も少しだけご報告します!
 

野口(以下:野):森さんは、ここにきて何年経ったの?

:8年ですね。2010年に社内公募があって、それで申し込みしました。
面接のときには、普通の部署と比べると、女性の多い職場になると思います、と言われて、わかりました!と答えたんです。それで、2011年10月からここにいますね。

:何か最初の立ち上げ時からいたような気がしていたけど、勘違いか(笑)8年間で、何が一番大変だった?

:大失敗もいろいろしてるしー!言いたくないなー!でも、楽しいことがいっぱいあったから帳消しです!(笑)ここに来た当初、僕は写真は好きだけど、展示のことは素人だったから、そりゃーもう大変で、勉強することいっぱいで、いろいろ指導してもらったり、怒られたりしてました(笑)2012年の7月頃かな?自分が初めて担当した「都会の星」はとても思い出深いです。それが「RING CUBE」としては最後の展示だったはず。

森さんが一番印象に残っているという「都会の星」写真展

:その後、リニューアルしたんだよね。

:「RING CUBE」から「リコーイメージングスクエア銀座」としてリニューアルして、ギャラリー「A.W.P」をスタートしました。そのことは担当の池永さんが詳しいので後ほど話してもらいましょうか。RING CUBEの写真展で、野口さんの思い出深いものは?

:RING CUBEのこけら落としが森山大道写真展だったんだけど、本当にむちゃくちゃかっこよかったんだよ。銀座の町に写真が浮いているような状態に見える感じ。あと、前川貴行さんの銀座動物園。動物の写真を実物大にしている、っていう。これもすごくよかったよね。RING CUBEのころは、そんな感じで、展示ごとにレイアウトとかもガラッと変えてた。鉄道写真展では切符のような入場券作って受付で入挟するとか、ほんとにもう、普通に展示するだけでは満足できない(笑)

:写真の飾り方も変わってましたね。

:天井にも貼ったし、床にも貼った。だから、やっているスタッフはすごく大変だけど、毎回、「こうきたか!」という驚きや発見があったよ。照明の色温度も変えてさ。毎回企画のたびに、カーテンはあけるか、閉めるか、というところから検討していたからね。

:ギャラリーとしては、とても異質な構造。ありえない。だって、写真を見せる、って一定のライティングと空間で見せるものなのに、窓が開いちゃっているから(笑)自然光も入って、光がミックスしちゃう。しかも自然光は時間で変わるし。でも、それも含めて、作品として見せていたんだと思うので、そこがとても新しかったですよね。

森山大道写真展と銀座動物園

:「Editors’ Choice」では、複数の雑誌社の編集長がそれぞれ推薦した写真家の作品を飾るっていうね。いまバリバリ活躍している公文健太郎さんとかも入っていたよ。
もう、みんな、ある意味悲鳴をあげて、ドタバタしながらニコニコしてた。「じゃあ、次は〇〇さんの展示で」で終われない感じで。RING CUBEの運営方針をカタチにした「secret」展、120人のクリエイターによる「SNAPS」展、GR BLOG投稿企画、GRistのグループ展、Stussy プロジェクト。怖いもの知らずだからできたことも多いよ。ギャラリー運営経験者が一人もいなかったからね。

:オープン当時からのスタッフがよく言っていた、「ここでしか見られない」ということを大事にしてきましたよね。

:ボランティアグループ「Doughnuts」との活動も大きかったと思うな。サークル活動のようなノリを、企業としてのクオリティとバランスをとって、カタチにする実験。上田義彦さんの写真集まで作ることができた。

:メンバーの方は解散後も、よく寄ってくれました。

:あと、森さんが来た2011年は東日本大震災の年。みんなで相談して、半年くらいかな、ここの売上を全額寄付していたことも思い出した。

:僕が入った時も続いていたと思います。周りに歩調を合わせるのではなく、自分たちで考えてやってましたね。あ、そろそろ、A.W.Pのお話しを池永さんに聞きましょうか。

RING CUBEの頃のDMいろいろ。毎回企画の特徴に合わせて作っていました。SNAP展は、各界の著名人ばかりで、あらためてビックリ&ありがたい!

池永(以下:池):ギャラリー「A.W.P」としてスタートしたのが2013年4月25日。ソファーセットやテーブル、カウンター席など腰をかけてゆっくりと過ごしていただくラウンジ型のギャラリーとしてリニューアルオープンしたんです。セルフサービスで珈琲を飲みながら写真集が閲覧できる贅沢な空間です。そのため入場料をいただくという従来のメーカーギャラリーにない運営にしましたね。

:当時、利益の出ないギャラリーは不要だとまで言われて、存続のために池永さんと作った再生プランでしたね。退路を断たれた苦肉の策ではあったけど、安易に物販に走るのではなく、やるからには後々誇りに思える唯一無二のギャラリーにしたかった。
池永さんとはその思いが同じだったので、楽しい仕事になりました。結果として写真もたくさん売れるようになったし。

:写真を売っているギャラリーは、入場無料。写真を有料で見せる美術館は、写真は売らない。というのが常識らしいのですが、うちは有料で見せて、写真も売る、っていう型破りなギャラリーでしたね(笑)

:メーカーの写真クラブであるファミリー会員になれば入場料がいらないという会員特典で利用するのがお得だと、多くの方々に入会をしていただきました。従来にないことを始めたのものですから理解していただくのに苦労しました。

:本当にリアルにお客さんに怒られてました。「写真見せるのに、お金をとるのか!」と。そのたびに、説明して、ご理解いただいたことがよくあった。

:最初は苦労も多かったですね。入場料を払っても観たいという方に利用していただく、そのためにその価値がないといけないわけです。メーカーギャラリーではできない写真展を目指し、結果として閉館までに70本の写真展を開催しました。
なかでもアンセル・アダムス写真展ができたことは大きかった。アンセル・アダムスのネガを扱えるただひとりのアラン・ロスによるニュープリントを展示しました。オリジナルプリントを観るために遠方からたくさんの方が来てくれましたね。オリジナルプリントの威力を目の当たりにするとともに、それがギャラリーの使命であることを実感しましたね。そして、予想以上に作品も販売できました。

:あれは本当に嬉しかったですよね。

「今年はモノクロームの作品が多いんです」と池永さん。最後の写真展となった「The secret」展開催中のギャラリーでお話を伺いました

:他にも、さまざまなジャンルの写真展を開催しましたね。ハリウッドの写真展ではオードリー・ヘップバーンやマリリン・モンロー展ですね。また、音楽系ではロックやジャズの写真展を開催しました。極めつけはビートルズのジョージ・ハリスンの元夫人のパティー・ボイドの写真展で入場者数のレコードを作りました。

:ボクもほとんど見させてもらったかな。ヘップバーンはホントに買いたいと思った。

:写真ファンは撮るだけでなく、見ることが好きだという方が多いことを実感したのもA.W.Pならではのことでした。作品を販売することに挑戦しましたが、販売するにはお客様とのコミュニケーションがすべてです。
そんななかRING CUBEから受け継がれたチャリティー企画写真展の「The secret」展が大きく貢献しました。写真家の方々に協力をいただき、5万円で作品が買えて、チャリティーにもなるという。この写真展で初めて作品を購入したという方が多いです。

:「The secret」のコンセプトは、この場所のビジョンそのものですからね。何度も買ってくれる人もいたの?

:いました、いました。あと、池永さんが言うように、写真を買ったのが初めてですという方もいました。なので、とてもいい活動をしてきたな、と思っています。RING CUBEのころからの、「ここでしか見られない」「ここでしか体験できない」というコンセプトは、ずっと引き継いできていると思っています。

:2008年、10月21日オープンから、11年と半年か。

:あっという間ですね。

:ほんとだよね。今思えば、四角い白い壁の空間ではないギャラリーとしての使いにくさが、みんなの知恵を出させてくれたのかもね。

:A.W.Pは全体が暗くスポットライトによって作品が浮かびあがります。それから異なる壁面を使った独特な展示ができました。展示室が丸い円形で、奥が見通せないということも、空間にひろがりをあたえていましたね。本当に、写真のための展示空間でした。

:こういう仕事をしていると写真を見る目も肥えてくるし、写真家さんと話をする機会も増える。そうすると、なんだか自分が写真を見る専門家になったような勘違いをして、「見てあげましょう」「飾ってあげましょう」みたいになってしまう人もいるから気を付けた方がいい。今でも酒の肴になっているけど、写真家さんに対して「〇〇君も写真上手くなったね」って言った人がいて、、、周りが冷や汗かいたことがある。どんだけ上から目線なんだって。自分たちはプロではない、素人目線で一番写真を見ているポジションの意味を、ちゃんと考えていくことが大事なんだと思うよ。

:そうですね。自分も気を付けています。そして大事なのは、写真を通してのコミュニケーション。ここは最高でしたね。スタッフルームでは、お弁当も食べられないくらい丸見えだった(笑)その分、お客様とのコミュニケーションができたので、楽しかったですね。僕らもやっぱり楽しめないと、やる価値が無い。なので、スクエア東京でもお客様とのコミュニケーションを大切にしたいと思います。

:今後、新宿と一緒になって、「リコーイメージングスクエア東京」という新しいカタチになるけど、こういう銀座のDNAというのかな、ちょっとやんちゃな挑戦心が、残っていくといいと思う。常連さんのグループ展は苦労しないでも来場者が見込めるけど、その前に写真の質で勝負するという緊張感も忘れずに。それが、その場所のステータスを高めることになるから。最初の一年が勝負。大変だろうけど頑張って!そして、「誰もがやりたいと思う仕事を、幸運なことに自分がやらせてもらっている」ということを忘れないでいて欲しい。それだけの価値のある仕事だと思うから。

:はい!最後に、長い間ギャラリーに足を運んでいただいた方々には、本当に感謝しかありません。皆さん、本当にありがとうございました。

:ギャラリーA.W.Pの最後の写真展が「The secret」というのも運命めいています。本当に大勢のファンに支えられてきたことを改めて感じました。ありがとうございました。

 
 

― そして、リコーイメージングスクエア銀座最終日、2020年2月29日。

この日は朝から、人が絶えることなく訪れてくれました。これ以上お客様が来たら、フロアに入りきらないかもしれない!と心配しながら過ごした最終日となりました。

9F通路は名残惜しんでくれるファンの方々がたくさん!奥のソファーでは、みなさんが持ち寄ったカメラをテーブルに並べて、それを写真に撮るという光景が。

本来であれば、お世話になった写真家のみなさんやギャラリー設立時から陰で支えてくれている各業者のみなさん、ボランティアグループ「Doughnuts」のメンバー、そしてOBの方々をお招きしてお礼をしたかったのですが、昨今の新型コロナウィルス関連のこともあり、断念せざるを得ませんでした。

この場を借りて、お世話になったみなさまには、心からお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

私がカメラを向けたら、テーブル席にいたみなさんが、こちらを向いてくれました!記念に一枚

19時半からの30分間、銀座の夜景撮影がしやすいように、フロアの電気を消灯し銀座夜景撮影会に。そして、閉館時間まで残ってくれたファンのみなさんと、記念撮影も(正面からの写真は、コチラの投稿にあります)

 

~リコーイメージングスクエア銀座メンバーからのコメント~

リコーイメージングスクエア銀座メンバーの記念写真 「最終日、名残惜しむ大勢のファンにお越しいただきました。本当に大勢のファンに支えられてきたことを改めて感じました。ありがとうございました」

 

リコーイメージングスクエア銀座に足を運んでくださったみなさん、本当に本当にありがとうございました!
 
また、4月からのリコーイメージングスクエア東京もどうぞよろしくお願いいたします。

(まちゅこ。)

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