じっと待つ夏 (かつ)

2019.08.30 BLOG

こんにちは、かつです。

夏休みは八ヶ岳東側の麓の街で避暑をしていました。
星好きにとってはペルセウス座流星群の季節なのですが、今年日本でのピークとなる8月12日から8月13日にまたがる夜は、月齢が11(満月の4晩前)と月の光の影響が大きいです。

月明かりが強いと夜空に見える(写る)星の数が少なくなるので、流星群とはいえテンションがやや下がるのですが、その一方で景色や雲の様子が良く分かる映像が得られます。

そこで、景色が良い宿のテラスにGR IIIのインターバル撮影を仕掛けてお気楽観測をすることにしました。みなさんも真似できそうでしょ?
流石にGR IIIを手すりなどに置くだけでは構図も決められませんので小さな三脚を利用しています。長時間の撮影もしたいので、こちらの記事で紹介したモバイルバッテリーも使っています。

早速その映像をご覧ください(音は入っていません)。
最大で4K(縦が2160ピクセル)の解像度まで選ぶことができます。
スマートフォンでの視聴にとどまらず、大きな画面でも視聴もして頂けるとうれしいです!

この動画は、2019/8/13 01:11:37 から 04:30:06 の期間に撮影した1015枚の静止画を動画編集ソフトを使って30fpsのTimelapseにしています。
おおよそ3時間20分の出来事を33秒に圧縮した早回しの動画と思って頂けるとわかりやすいと思います。

露出の設定は Mモード、ISO1600、F2.8、10sec 、ホワイトバランスは色温度指定で4200Kです。インターバル撮影の設定は、撮影間隔1秒、撮影回数∞、開始トリガーが即時です。
諸設定を固定したインターバル撮影の結果をみると一目瞭然なのですが、たった3時間20分ほどの間に "夜の明るさと色" が刻々と変化していることに気づくと思います。

「もっとも夜空が暗い期間によい流星が撮れるといいな」という期待のもと、色温度は4200Kとしました(月明かり、太陽の薄明かりの影響がある期間はちょっと青みが強すぎますが、暗い期間を優先しました)。
流星の動きは速い(光って消えるまでの期間が1秒ないことが殆どです)ので、ISO感度は1600よりは下げたくありません、そして、F値は開放の2.8ともっとも明るい設定としています。あとは、Timelapseを作成したときの映像の明るさを考えシャッター速度を10秒としました。
(撮影開始時はちょっと明るすぎ、月がない期間は目視に近いけれどちょっと暗すぎ、動画全体通して考えたときの明るさはほど良いという私の主観です。撮る人がどうしたいのかによって、設定値は変わると思います。)


このような撮影設定は事前に固定で決まるものではなく。
撮影地、撮影する時間帯から月明かりの影響を調べ、あとは天気を祈るという手順になります。環境(自然)にカメラの設定を合わせるのであって、"星を撮るための設定値"などというものは存在しません。
星空を撮りたいと思った方は、何度も撮影に出かけながら経験を重ねていってほしいです。経験を積むほどに、カメラの設定より「撮影地探し」と「撮影する日と時間」が一番大切な事だと気づいて頂けると思います。

さてさて、1015枚の映像の中に流星はいくつあったでしょうか?
流星が写ったコマを選び丸印をつけ、アニメーションGIFにした映像が以下です。

インターバル撮影した1015枚の中から、ペルセウス座流星群の流星と思われる15枚を選び、アニメーションGIF形式にしました。

掲載の都合解像度を低く抑えたため、アニメーションGIFでは淡すぎてわかりにくい流星も多いのですが、15コマに流星を捉えることができました。みな、画面外側の右上あたりを中心として放射状の光跡になっています。

明け方前の太陽の光を受けた青い夜空の中、画面中央をよぎった流星を捉えた最後のコマが、この記事のサムネイルになっています。これが捉えたなかでもっとも大きな流星でした。


こんな撮影でスタートを切った夏休み、中盤以降は台風も迫りつつあり「晴れ待ち」な夏休みとなりました。
雨の間は、清里フォトミュージアムで「ローバート・フランク展」を鑑賞したりと過ごしていました。

清里フォトミュージアムさんでは、展示されている写真を鑑賞するだけでなく蔵書をみることもできます。本棚をおいかけていてふと眼に入ったのが天文関係の本!
星空撮影をする方々がよく訪れる地域だけあって、こんなものも置いているのだなーと嬉しくなりました。じっと晴れ待ちの間も、なにか収穫があるものですね。

なんとか、最終日には晴れた空にも出会うことができ、白駒の池よりちょっと下、白樺の群生地にあるハイキングルートを散歩していました。

もうトンボが沢山飛んでいます。ここのトンボ達は、そーっと近づけばなかなか逃げないので、ゆっくりと繰り返し撮影することができます。
GR III 50mmクロップ機能で撮影するとこんな感じ。マクロモードにすることなくピントも合うので快適撮影です。

あまりにもカメラを動かさずシャッターチャンスを待っていると、カメラを持つ右手にトンボが止まるというハプニングが・・・

さすがにGRを複数台持ち歩いていないので、GR IIIを持つ手に止まったトンボは、左手だけを使いスマートフォンで撮影しています。

これくらい人から逃げないトンボ達なので、マクロモードでの接写にもトライしてみたのが2枚目の写真です。だいたいレンズ先端から8cm程度の距離にピントがあっています。50mmクロップで撮影した画像を、GR IIIのトリミング機能で 1:1 の XS(1280×1280ピクセル)にした画像をリサイズして掲載しています。

トンボの複眼が分かる!

虫が苦手な方はごめんなさい。
接写が強くなったなーとはおもっていたものの、ここまで凄いとは・・・感動です。
あらためてGR IIIのレンズ、センサー、画像処理のマッチングのよさにびっくりしました。

(かつ)

Facebook X Hatena Bookmark Pocket Google Plus LINE

PREVIOUS

旧GR BLOGライター「ひろ」が登場! (まちゅこ。)

2019.08.27 | BLOG

NEXT

GR meet 銭函 ~申し込み受付開始! (まちゅこ。)

2019.09.03 | BLOG

RELATED ARTICLE

GR official SNS