【SPECIAL】川田喜久治さん 「赤と黒」

2019.08.09 BLOG

 
スペシャルコンテンツ第4弾は川田喜久治さんです!

デジタル写真にも初期の頃から積極的に向き合い、日々のスナップを独特の世界観で表現されてきた川田さん。
世界の名だたる美術館に多数の作品が収蔵されていますが、最近ではニューヨークのThe Morgan Library & Museumに、GRで撮った作品が収蔵展示されています。

今回、50点以上の作品を一挙に紹介させていただきます。
WEBでどこまで伝えられるかわかりませんが、和紙にプリントされた写真を見せていただいた時は、その熱量に圧倒されて息を飲みました。
どこかで展示できたらいいなあと考えています。

どうぞご堪能ください!



赤と黒  
spring~summer 2019    
川田喜久治 

元号の代わった2019年の春から夏までの三ヶ月、身近な場所での撮影です。小さな最新のリコーGR IIIから大きなモニターへ映像の転送を繰り返し、アプリを通過させ、写真がさらにオートマティックに異化されてゆくのを意識します。なかなか想像できませんが、なにものかが、突然の変化を促していることをまのあたりに感じるのです。

それは撮影の次元とは似ていても違います。撮影時は野生的な反応が優先するが、ソフトのなかでノイズにもまれた映像は極めて想像的なのです。忍者の手裏剣のようなものが新しい場所や色彩のなかを飛び交っているのです。そこに意志的な選択の突然が生まれるのです。
シュルレアリストたちの実験「オートマティズム」に、日本の文豪がミニカセを枕元におき夢の時間を忘れないうちに吹き込んでストーリーの原材料にした話は知られていますが、光の粒子を即時に美しい色彩にかえながら未知の知覚に活力を与え、音に変わるような不思議な語りかける幻想性やSF性の高いものに写真もスウィッチしています。そのヴィジョンはいつリアルなものに変わるかも知れません。

インスタグラムにアップされた写真は不可解なノイズを身につけていると感じます。必ず聞き慣れない音がするでしょう、はるか荘厳な音の感じさえ聞こえます。
大海に迷ったナガスクジラが吐く最後のため息と鳴き声。都市の屋根に降り積もった放射性物質かも知れない光景。全世界の暴動に次ぐまたまた殺戮。薄墨を流したようなモノクロームの町、赤く表情を変えた人たち、不思議な雲や太陽とシンクロしながら今日も場所は様相を変えています。

インスタグラムの集積正方形のイメージをスクロールさせていると、果たして何処まで続くのか不安でもあり、退屈でもあります。かつての広場も、いずこの伽藍も、エネルギーを集めるものは、正方形からはじまっているようですが、そこに計り知れない魔物が潜んでいるようです。写真を食べ尽くす、、、、?

30.july.2019. Tokyo

 
川田喜久治 

1933年茨城県生まれ。1955年立教大学経済学部卒業、新潮社に入社。「週刊新潮」創刊(1956年)よりグラビア撮影を担当する。1959年退社しフリーとなる。
写真エイジェンシー「VIVO」(1959-61年)を佐藤明、東松照明、丹野章、奈良原一高、細江英公と設立する。

「地図-The Map」「地図のモケット」、「聖なる世界」、「遠い場所の記憶」、「ザ・ヌード」「世界劇場」、「ユリイカ」、「ラスト・コスモロジー」、などの作品集。

「地図」「聖なる世界」「ロス・カプリチョス」、「世界劇場-2003」、「見えない都市-2006」、「ATLAS 全都市-2007」「ワールズ・エンド-2010」、「日光―寓話-2011」、「Phenomena-2012」、「Last things-2016」、「100-Illusions-2018」、「影の中の陰-2019」などの個展を開催する。

東京近代美術館、東京写真美術館、釧路芸術館、山口県立美術館、写真工芸大学、多摩美大学、日本大学、
テートモダン、ポンピドー・センター、サンフランシスコ近代美術館、ニューヨーク・パブリックライブラリー、ニューヨーク近代美術館、ボストン美術館などにコレクション。

芸術選奨文部科学大臣賞2004年、日本写真協会作家賞2011年、を受賞。


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