GR III Diary Edition ケース&ストラップの秘密 (いなば)

2023.01.17 BLOG

こんにちは、いなばです。

GR III Diary Editionについては商品企画の大久保からコンセプトやデザインについてお伝えさせていただきました( 記事はコチラ
今回のSpecial Limited Kitには、新規デザインのカメラケースとフィンガーストラップが特別に付属されています。
発売直前(1月20日発売)という事で、この二つのアクセサリーのデザインついてお話ししたいと思います。

GR III Diary Edition Special Limited Kitのアクセサリー

カメラケースについては、今回のDiary Editionのコンセプトである「より身近で落ち着いた、生活をモチーフに日常スナップ」をイメージさせるために、今までの黒い本革ケースでは無く、もっと肩の力を抜いて使ってもらえたらという思いから布製、特に帆布生地を使う事を当初から企画メンバーと話していました。

カメラケースの初期のアイデアスケッチ

デザインのポイントは「日常スナップ」がメインという事でカメラの出し入れにマグネットやホックの様な開閉にワンクッション必要な留め具や、ケースの蓋を開ける時の音を避けるためにベルクロ(マジックテープの事です)の使用は避けつつ、ケースの蓋が固定されるデザインとしたことですね。

業者の担当者さんが手作りで作ってくれたケースの構成検討用サンプル

スケッチを元にケースとして成り立つかサンプルを作成して、形状を詰めていきます。
上の写真の手作りサンプルでは、縫製の都合でベルトがケース背面側に繋がっていますが、この部分はアイデアを出し合う事で縫製可能で尚且つスケッチの様に蓋をベルトで止められる形状に辿り着きました。
ケースは縫って作るものなので、どうしても縫製の順番を考えると作る事が難しい形状になってしまう場合があるので、業者の担当者さんとデザイナーとで解決策を出し合う事が必要です(担当者さん、お手数掛けました)

実際の生地を使って作成した試作品第一弾

手作り品を見て、プロジェクトメンバーが不安がっていたのですが、このサンプルを見てニコニコし出したのを思い出します(笑)
このサンプルをベースに、実際にカメラの出し入れや細部の形状を再検討して行き、より完成度を上げて行きます。

細部の縫い方や縫い糸の色調整、全体の大きさ検討の様子

ベルト部分のGRロゴの刻印は、当初は現在販売しているケースの刻印をそのまま使う予定でしたが、全体のバランスを考えるともう少し小さな方がおさまりが良いので、わがままを言って新たに小さいGRロゴの刻印を作成してもらいました。
またカメラの出し入れに最適なケースの厚みや蓋の長さなど、細部を詰めて最終製品となります。
カメラケースのデザインも様々なアイデアとそれを実現する為の苦労があるので、手に入れられた皆さんは是非じっくり見て使って愛着を持って頂けると嬉しいです。


そして、もう一つのアクセサリーであるフィンガーストラップですが、こちらは革製品としてのモノの魅力と使いやすさを両立する事に苦労しました。

Special Limited Kit用のフィンガーストラップ

現行製品のハンドストラップは使い勝手が良いのですが、ポケットや鞄にカメラを携帯する時に少し長すぎると感じていたので、Diary Editionのテーマが始まる前から長さが短かく使いやすいストラップが出来ないものかと、普段から検討していました。
長さが気にならず樹脂などの硬くかさばる素材は使用しないフィンガーストラップを目指し、柔らかい素材で進めようという事で本革をベースに検討する事にしました。
しかしサイズが小さいが故に玩具っぽく見えてしまい、品質の良さを両立する事に苦労しました。

上段のAタイプから下段のDタイプがデザインの変遷です

上のCGスケッチの様に、当初はストラップの幅を均一にした為か安っぽく見えてしまう事と、実際に使用すると指とのフィット感がイマイチでした。
様々な形状を試作検討して最終的に縫い目のラインの検討や革の中の芯の入れ方、ストラップの幅を末広がりにする形状変更を行い、品質の良さとフィット感を両立したフィンガーストラップが出来あがりました。

ごく一部の写真ですが革の色やシボパターンと縫い糸の色を膨大なサンプルからセレクトしていきます

形状が決定すると実際の製品に使う革や縫い糸の選定になります。
フィンガーストラップ用に選んだ革や縫い糸は、カメラケースのベルト部分にも採用してSpecial Limited Kit全体の統一感を出しています。
非常に納得いくアクセサリーが出来たと思いますが、皆さんいかがでしょうか?是非感想を聞かせて頂けると嬉しいです。

また今回のフィンガーストラップはさまざまな使い方があるので、ぜひ自由に使ってみてもらいたいのですが、私の使い方を一例として紹介しておきますね。

フィンガーストラップの使い方の一例

上の写真の様にグリップ下側のストラップ通しにフィンガーストラップを取り付けます。指は中指と薬指をストラップに通して、小指は通さずにストラップの内側に置く感じです。
このままグリップを握ってもらうと、シッカリと安定して握られるのでお勧めですよ。またカメラを落としてしまう不安感もグリップが安定すので軽減すると思います。

あくまでも私の使い方なので「いやいや、コッチの使い方が良いよ!」と言うご意見がありましたら、是非教えて頂けると参考になるので宜しくです!

今回はアクセサリー関係のデザイン開発についてお話ししましたが、如何でしたでしょうか?
アクセサリ一ひとつとってもデザイナーの思いが詰まってますので、是非使い込んで愛着を持って頂けると嬉しい限りです。
そして、何か気が付いたことがありましたら、コッソリ教えて下さいね。

それではまた!

(いなば)




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