ファインダーを“のぞく”こと(朝倉)

2021.04.16 BLOG

こんにちは、朝倉です。
最近、ファインダーについていろいろと考える機会があったので、今回はファインダーについてお話したいと思います。(ちょっと長いかも)

ファインダーというのは皆さんもご存じの通りカメラの「のぞき窓」のことで、写真を撮るときに構図を決める重要な要素の一つです。
今でいうとミラーレス一眼の電子ファインダーや一眼レフの光学ファインダー、レンジファインダー、外付けの光学ファインダーなど、様々なファインダーが存在します。デジタルカメラにおける背面液晶画面も広義ではファインダーと呼べるかもしれません。

それで、何をいろいろと考えているかというと、カメラのファインダーによって、写真を撮るときの頭の中の思考が変わっているんじゃないかなということです。

GR III,Pモード,ポジフィルム調,ISO200,1/1250sec,F5.6

朝倉なりに、ひとつひとつ説明させてもらうと、
まず電子ファインダー(EVF)での撮影は、ファインダー内には写る範囲はもちろん、露出や色合い、実際の被写界深度など、撮る前に撮影後にできる画像をほぼ見ながら撮ることができます。その恩恵により、ファインダーを覗くだけで答え合わせをしながら撮影ができて、失敗が少なくなります。

次に一眼レフの光学ファインダー(OVF)での撮影は、装着レンズの画角がそのまま見えて構図を決めたりピント位置を合わせたりすることはできるけど、ファインダーで覗いているのは実際に目で見ている景色と同じく撮影設定(露出や色合い)は反映されないので、自身で「ここで露出補正をマイナスにして、絞りはこれぐらいで、画作りは…」と想像しながらシャッターを切って、撮影後の画像を見て答え合わせをすることになります。

レンジファインダーはLeicaなどのカメラに採用されているファインダーで、おおよその撮影方向とピント位置はわかるけど、カメラの背面から見て左上にファインダーが独立してあるため、カメラ中央にあるレンズとの距離があり、パララックス(視差)によるずれが発生します。またレンズを通していないファインダー像なので、レンズを変えても見える像はそのままなので画角は想像するしかないし、一眼レフの光学ファインダーと同様に撮影設定は反映されない。

外付けの光学ファインダーは、カメラの上面のホットシュー部分などに装着するのぞき窓で、おおよその撮影方向と画角(そのレンズに対応したものを装着していれば)はわかるけれど、ピント位置や撮影設定はファインダーを覗いてもわからないから、想像したり撮影設定を工夫したりしないといけない。

GR III,Pモード,ポジフィルム調,ISO200,1/800sec,F5.6

そして最後にノーファインダー。
これは他のファインダーの説明とは少し違うのですが、その呼び名の通り、ファインダーを見ずに撮影する撮影方法のことで主に瞬間を捉えたいスナップで使用されることが多いです。ファインダーを覗かないということは構図や画角はもちろん、露出やピント位置、撮影タイミングまでも想像しなければいけませんし、撮影設定にも工夫が必要です。

GR III,Pモード,ポジフィルム調,ISO100,1/400sec,F5.0

あくまで個人的な意見ですが、僕が考えるファインダーによる相関関係は、

・撮影前の情報量
EVF > OVF > レンジファインダー > 外付けファインダー > ノーファインダー

・撮影前の想像量
EVF < OVF < レンジファインダー < 外付けファインダー < ノーファインダー

という具合になっています。

ファインダーを"覗いて"得られる情報と、ファインダーを"除いて"得られる想像。
ノーファインダーという撮影方法には、自分の奥底にある想像力をかき立てられるものがあります。
写真を撮る上で、もちろん情報が多いことも大切ですが、個人的にはこの「想像」する部分も大切なんじゃないかなと思っています。

GR III,Pモード,ポジフィルム調,ISO100,1/800sec,F5.6

僕自身、構図とかタイミングとかにこだわってしまうタイプで、ファインダーや画面とにらめっこして、結果、予定調和な写真になってしまうことが多いです。
でも、ノーファインダーで撮った写真には、自分が想像して狙ったものが撮れた喜びがあることに加え、自分の想像を超える写真が撮れていることもあります。
ブレてたり、傾いていたり、構図がむちゃくちゃだったりすることもあるけど、バチッと決まった時の感動はたまりません。

GR III,Pモード,モノトーン,ISO1250,1/30sec,F2.8

今回載せた写真は全てノーファインダーで撮った写真です(後からトリミングしたり、傾きを補正したりしたものもあります)。
想像しながら写真を撮ること、これからも続けていきたいと思います。

なお、2019年に開催した「GR meet 門司 」で、藤原新也さんがノーファインダーについて語られていたので、よかったらぜひ。

 
最後に2つ、お知らせです。

まず1つ目。
先日開催した「GR SNAP WEEKEND」でご紹介した期間限定販売のGRロゴ刻印入りケースとストラップの受注は4/30(金)の17時までです。
まだ見てない方はぜひぜひご覧ください。

INDUSTRIA GRフィンガーストラップ GRロゴ刻印モデル
INDUSTRIA GRスリーブ GRロゴ刻印モデル

そして2つ目。
リコーイメージング製品で撮影された写真を募集し、リコーイメージングのホームページやInstagramでご紹介している「とっておきPhoto+」。
この対象製品にGR IIIが加わりました。ご興味ある方はぜひ見てみてくださいね。

とっておきPhoto+

それではまた。

(朝倉)

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