GRist

= GRist = 寺田克也さん登場!!

2008-09-18

こんにちは、ヒロです。

今回は、イラストレーターの寺田克也さんの登場です。
個性的な作風で様々なキャラクターデザインを手がけ、巷では"ラクガキング"と言われている寺田さんですが、GRユーザーの方はご存じのとおり、GR DIGITAL一周年記念モデルの天使のイラストをデザインして頂いています。実はご自身もカメラ好きで色々なカメラを所有されていますし、他の著名人の方と共に写真集も出されています。そんな寺田さんのGR観を聞きたいと思い、都内某所で取材をさせて頂きました。

寺田克也

t_R9629956_270.jpg


■寺田さんはカメラ好きで知られていますが、いつ頃から写真を撮るようになったのでしょうか?

寺田 克也さん(以降 寺):
『カメラ好き』じゃなくて『デジタルカメラ好き』です(笑)。昔のフィルムカメラは苦手でしたね。写真を撮ってお店に現像に出して、また取りに行くというのは心情的には好きなのですが、実際はものすごく面倒くさがり屋なので駄目でした。なので現像のいらないデジタルカメラが出たときは驚喜しましたねえ。フィルムじゃないカメラの最初はフロッピーディスクをメディアに使うカメラでした。

ヒロ(以降 ヒ):元々写真を撮ることが好きなのでしょうね。

寺:そうですね。でも、写真の腕前はヘボヘボですね。写真の才能というのがあるとしたら、間違いなく自分にはその才能が無いということは何十年も写真を撮ってきているのでわかります。自分が絵を描いているのでどうしても写真を自分の絵に近づけようとしてしまい作為的に走りすぎたりしていた。そうすると陳腐な写真にしかならないんですけどね。うまい人の写真を見ていると同じモノを撮ってもいい写真になる。これが”写真の才能”というものかと思いましたね(笑)。
今は作為的な写真はやめて、カメラを目の延長として使っています。見えたものがそのまま写ればいい。今撮っている写真は作品というよりも記録に近いかもしれない。

ヒ:絵の才能があるからこそ逆にそう思ってしまうのかもしれません。

寺:そうかもしれないけれど、写真のセンスが無い言い訳だと思います(笑)。友達に教えられて「枚数を撮って、後から選べばいいんだよ」と言われた時に目から鱗が落ちましたね。なのでシャッターを押す回数はすごいです(笑)。当たり前のことかもしれないけどデジタルカメラはこれができるのでいいですね。フィルムでは沢山撮って選ぶということが難しいので。


■寺田さんにとってはイラストを描くということと写真を撮るということには関係性があると思っていましたが、今のお話を聞いていると全く違うということなのですね。

t_R9630019.jpg

寺:感覚は全く違いますね。写真を撮るときの画角の中に何を入れるかをチョイスするという行為自体は、絵を書くときの枠の中に何を書くかを考える時と近いかもしれないけども、絵の場合は自由なのでいくらでも物を動かせるし、パースでさえも自由にゆがませられる。例えば絵の中に24mmや500mmの見え方を混在できる。こんな表現は写真では不可能なことなのでそこが写真と絵と違うところ。これを無意識に写真に求めようとして失敗していたんですね。

ヒ:寺田さんはシンメトリー倶楽部なるものを立ち上げてシンメトリー(線対称な)な写真を沢山作っていますがきっかけはなんだったのでしょうか?写真集も出版されたりしていますね?

寺:ずばり、きっかけはフォトショップがあったからです(笑)。フィルムカメラの時代にシンメトリー写真を作っていた人がいたらしいのですが、フィルムの厚みを計算して紙焼きをしなければならなかったり非常に大変だったそうです。デジタルになってそれが簡単にできるようになった。観音開きの鏡をのぞき込んだ時にめまいがするような感じがしますよね。シンメトリーにするという行為は一番原始的な特撮だと思ってまして。たまたまフォトショップでやってみたらおもしろい写真になって、今もあいかわらず続けてます。
原始的だからこそ飽きがこない。デジタルならではの遊びですね。平凡な写真も面白い写真になったりすることがあるのでやってみると楽しいですよ。

それから、シンメトリー写真を発表する手段として写真集を作ったり自分のブログに載せたりしているけれど、友人がサイト作りに関わっている『BCCKS(ブックス)』というWebサイトがいいです。
「本」の良さを生かした写真集をネット上に簡単に作れて発表できる点がおもしろい。開くと面積が2倍になる感覚、開くことで閉じた世界が広がる。本という形になっているからこそ意味がある。デジタルだろうがその「本」というカタチがおもしろいんです。自分で作っても愉しいし、人に見てもらいたいものをパッケージにできる便利さもある。GR DIGITALで写真を撮っている皆さんにもぜひ試してみてもらいたいですね。


■GR DIGITAL一周年記念モデルについて

ヒ:私達が一周年記念モデルの天使のイラストを依頼する連絡を入れた際に、偶然にもご自宅のPCで当社のGR DIGITAL Webサイトを見ていたというお話しを聞いたのですが、その時にはGR DIGITALのどんな所に興味をもたれていたのですか?

寺:基本的に道具はひいたデザインが好きなんですよ。スタイリングありきじゃなく、道具の持つ性質そのものがカタチになっている、そんなスタイルが好きなんです。GR DIGITALは使ったことがなかったけどそういう雰囲気があった。周りのデザイン関係の人達にも持っている人が沢山いたので気になってたけど、あんまりみんな持っててあまのじゃくになっちゃって、逆に買えなかったというのがあります(笑)。
しかしやはり欲しいなーっと思ってあの時はGR DIGITALのWebサイトを見ていたいたんですよ。そしたらリコーからメールが来ました。

ヒ:私達が天使のイラストをお願いした時にはすでにボディカラーは雲の浮かんだ青空と決まっていたので大変難しかったと思います。

t_grd_1a_front_open.jpg

寺:そうですね。自分の所に話がきた時にはほとんど仕様が決まってましたね。絵の位置とかも動かせない中で、あまりかわいい天使にしたくないというオーダーを、雰囲気としては天使と女神の中間みたいな大人っぽいイメージ、芸術をバックアップする女神であるミューズに見立ててみようと思いました。
ボディ上面の天使はレリーズボタンにインスピレーションの吐息を吹きかけているんです。いい写真が撮れますように、って感じです。

t_grd_1a_top_close.jpg

ヒ:私の場合は天使に感謝しておかないといけないですね(笑)。


■GR DIGITALをお使いになってどんな部分が気に入っていますか?

寺:自分は硬めの絵が割と好きなので、GRの色味とか階調が落ち着いている所が好きですね。友人の女性のデザイナーは「これは男の子の絵ですねー」と言ってました。写真の絵作りが男の子っぽいと。
飾りも無いし無骨な感じの絵なんですね。先ほど道具が持っている性能や性質が形に表れているモノが好きって話をしましたが、GR DIGITALはスタイリング、そして撮れた絵についても一貫しているんですよね。GR DIGITALを見て、質実剛健っぽいとか大人っぽいとかの「っぽさ」を狙ってあのデザインにしたのではないと思いました。それは実際使ってみてもそう思ったしそれがGR DIGITALの一番素晴らしい所だと思う。本当に「あるべくしてあの形」って感じましたね。

t_R9629951.jpg

ヒ:普段どんな時にGR DIGITALをお使いになっているんですか?イラストのお仕事で使うことはありますか?

寺:仕事の合間に散歩によく行くので、視線の向く方向でシャッターを切る感じです。そこに不細工な猫がいたら撮る。わざわざ撮影旅行に行くとかはないです。それから絵の仕事で使うことはほとんど無いです。絵の資料として写真を使うことはあまりやらないので。

ヒ:よく使うセッティングはありますか?

寺:そうですねぇ、、ダイヤルはいつも「P」でISOとホワイトバランスをその場に応じて変えますね。
ISOはできるだけ200以下を使います。両方オートにしておくということは無いです。それから暗めの写真が好きなので露出は大体-0.7EVにしておきます。


■最後にGR DIGITALに対する期待、要望を教えてください

寺:画質に対しての期待は限度が無いので(笑)、このサイズで極限まで高画質を極めてもらいたいと思います。撮影してすごいものが写るというのがカメラの最終的な理想だとすると、「このサイズでこんなのが写るのか!!」という点を追求していってもらいたいと思いますね。

ヒ:期待に応えられるようがんばります! !


■寺田さんお気に入りのワンショット

GR DIGITALII

「庭に棲み着いている野良ネコのまことちゃん。冬はときどき膝に乗せてやる。よろこびのあまりよだれを垂れ流すまことちゃん。この写真は膝の上で深夜寝ぼけているまことちゃんであります。」


■取材を終えて

寺田さんのイラストは大好きでイラスト集を見ているとワクワクしてきます。GR DIGITALの入ったイラストを書いてもらえたらGR BLOGをご覧になっている方も喜ぶ(自分も)と思いまして、お願いしてみましたら、なんと!「ラフなものだったらイイですよ!」と笑顔で引き受けてくれました。寺田さんの人柄の表れたユーモアのあるイラストですね。寺田さん、どうもありがとうございました!

[イラスト拡大]


それから、取材の中で寺田さんからコメントがありましたWeb上に『本』の形を作るBCCKSなのですが、現在「LittlemoreBCCKS写真公募展」(2008年8月8日~10月27日迄)というイベントを開催しておりまして、リコーは協賛しております。
web上で写真を編集し、デザインすることが出来る「BCCKS専用フォーマット」を使って“写真集を応募する”という新しい形式の写真公募展です。(フォーマットが正方形なのでアスペクト比1:1モードにぴったりです。)
応募作品は一般ユーザーの方も閲覧可能かつ、“書評”も書き込めるので、かつてない相互性を楽しめる仕組みとなっています。そして、大賞作品は実際に“写真集”として印刷、出版されるそうですから興味のある方はぜひ応募してみて下さい。(尚、お問い合わせは株式会社BCCKSへお願いいたします)

寺田 克也 (てらだ・かつや)プロフィール
日本を代表するグラフィックアーティスト。

美術専門学校在学中からイラストの仕事を始め、卒業後はフリーのイラストレーター、漫画家に。 イラスト、漫画をはじめ、ゲーム、映画など様々な分野で活躍。 ゲーム『バーチャファイター2』『カリーンの 剣』ほか、2000年度文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞した『BLOOD THE LAST VAMPIRE』では、映画・ゲームのキャラクターデザイン、小説の想定までを、近作では、窪塚洋介、佐藤浩市主演の話題作、映画『魔界転生』のイラストレーションも手掛けた。 『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明監督の劇場最新作として発表された『キューティーハニー』では、キャラクターデザインを担当している。

terras book
http://cacazan.com/

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